こんにちは、みーです!
中学2年生の文法事項で、おそらく冬頃に扱うことの多い助動詞。
今回は、同じ意味なのに二つの形がある「う・よう」の違いについてお話します。
なお、「れる・られる」「せる・させる」の違いについても考え方は同様です。
注意:ある程度国語を専門として指導する立場の方を対象に記事を作成しています。そのため、助動詞の定義やそれぞれの意味・用法、細かい文法用語の確認は今回割愛しているので悪しからず。そのうち(いつだろう、、、)中学生や初心者に向けて文法の概観的な記事も作ろうと考えています。
結論:「う」「よう」は接続が違う!
はい。もうこれが結論です。
※「接続」とはどのような単語の下に置かれるか。言い換えると直前にどのような単語があるかということ。
光村の教科書を見ると
「う」→五段動詞・形容詞・形容動詞および一部の助動詞の未然形に付く
「よう」→上記以外の動詞および一部の助動詞の未然形に付く
とあります。
どちらも未然形接続ですが、どのような品詞の未然形に付くのかが違うということですね。
ここまではしっかりと教科書を読めば調べられること。
今回はもう少し本質に迫りたいと思います。
「う」はオ段音に接続したい
それでは実際にそれぞれが接続する単語を具体的に考えてみましょう。
「う」の方が数が少ないのでこちらを見ていきます。
1、五段動詞の未然形
打消しの助動詞「ない」を付けて直前がア段音「~アない」となるのが五段動詞。「走る」「読む」など。
五段動詞の未然形(活用語尾)は「ア」と「オ」の二つあります。
(走ラない、読マない/走ロう、読モう etc)
ちなみに五段・上一・下一の動詞の活用形の中で、複数の形が存在するのは段活用の未然形だけです(音便変化を除く)。
2、形容詞の未然形
形容詞の未然形(活用語尾)は「カロ」です。
(楽しカロう/悲しカロう etc)
3、形容動詞の未然形
形容動詞の未然形(活用語尾)が「ダロ」です。
(きれいダロう/元気ダロう)
このように確認していくと共通点が見えてきます。
それが、オ段音で終わるということです。
そして「う」の兄弟と言える「よう」の「よ」も、オ段音ですよね。
つまり、
「う」は本来オ段音に接続して「~oう」となるが、
未然形がオ段音で終わらないものに対しては自ら「よ」を補って「~yoう」となるようにしている
ということです。
冒頭で少し触れた「れる・られる」「せる・させる」に関しても同様で、
「れる」も「せる」もア段音に接続して「~aれる/~aせる」となり、
未然形がア段音で終わらない場合に「~raれる/~saせる」となるよう自ら「ら/さ」を補うのだと説明できます。
まとめ
「う」と「よう」の違いを一言で説明するとしたら
「う」はオ段音に接続し、「よう」はオ段音以外の音に接続する
となりますね。
実際の授業でここまで詳しく説明する必要は必ずしもないと思います。
時間調整で時間が余りそうだったら簡単に触れたり、質問が出たら答えたりするくらいで構わないでしょう。
文法が苦手な生徒にとってはいかに簡潔に理解させるかが重要なので、ここまで伝えるとむしろ混乱させてしまう可能性が高いです。
ただ、「勉強は全体的にできるのに国語だけ苦手」という生徒には、理屈をしっかりと説明してあげた方が納得しやすいのでとても有効だと思います。
一つの説明だけでクラスの全員が理解できるということは不可能に近いと思います。
誰に向けて伝えるのかを意識できるとよいでしょう。
今回の記事で、なぜ五段活用の未然形だけ二つあるのかの説明も、「う」が接続するためと一応説明ができますね。
最後に
実は一点リサーチ不足があります。。。
記事を読んでいて疑問に感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
それは「来る」の扱いです。
「来る」も未然形は「こ」でオ段音なのに、「う」が付いて「来(こ)う」とならずに「よう」が付いて「来(こ)よう」なります。
これに関しては「来る」の未然形「こ」が一音節だからではないかと考えています。
(↑めちゃめちゃ弱い仮説ですので、いつか調べて追記します。詳しい方いらっしゃいましたらご教授ください。)
ちなみに、文法の参考書は数多くありますが、私はこちらの書籍を愛用しています。
解説が詳しく、練習問題もあるのでとてもおすすめです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは!
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