こんにちは、みーです!
今回は中1の文法の基本である「文節」について紹介していきます。
基本と言いつつ、文節って意外に曲者じゃないですか?
中学校の文法では基本的に1年生で文節、2年生で単語を学習します。
「単語」といえば英語でも扱いますし様々な言語で用いられる概念なのでイメージがわきやすいですが、「文節」となるとすぐにはイメージがわかないかもしれません。日頃から国語で文法を教える立場の方々や中学生であれば別ですが、そうでもなければいきなり「文節って何」と訊かれてもはっきりと答えるのは難しいのではないでしょうか。私自身、大学1年のときに塾で文節を教える際、どのように教えていいか迷った記憶があります。(文法には自信があったのですが。。。古典でも文節は扱わないのです。)
前置きが長くなりましたが、今回はそんな「文節」をどう教えていくのかについて、紹介していきます。
結論:はじめは分かる言葉で
kurageは「文節」を指導の段階に合わせて
- 文の節目
- 「ネ」で区切るもの
- 自立語1+付属語0以上の単語のまとまり
と言葉を変えながら定義していくのがよいと考えます。
文法的に正しい定義は3ですが「自立語」や「付属語」は未習の言葉なので、中1の初めの段階では適切ではありません。
「言葉の単位」の一つとして最初に扱う際には、漢字から意味を考えられる1で説明し、本格的に「文の成分・組み立て」の内容に入り「ネ」で区切ることが定着してきたら2で通じるようになるので、これで進めていきましょう。
3は中1の最後に単語の入り口的な内容を扱うときに、自立語・付属語を教える中で「実はこういうことだったんだよ」と紹介すればよいです。
以下、順にそれぞれ詳しく説明していきます。
文節は「文の節目」
何事に関しても言えることですが、いきなり知らない言葉が目の前に並べられると、知っている側からすれば簡単なものでも素人からすればとても難しく、立ち入り難いものに感じられてしまいます。私自身ブログ初心者で、プラグインやらSEOやらアドセンスやら、カタカナやアルファベットの言葉だらけで、ブログを始めるのをやめておこうかと考えてしまうことが何度もありました。
私は自分の意志で「やろう!」と決意したので頑張って勉強しています(←現在進行形)が、中学1年生でしかも正直小難しい内容である文法に対して、同じように思えるはずがありません。だから、分かりやすく、面白く、楽しみながら授業をするのです。
漢字は表意文字といって音だけでなく意味も表す文字(反対は表音文字:ひらがなカタカナ・アルファベットなど)であるため、漢字から推測できる意味で定義して「分からない」の壁を作らせないよう意識しましょう。
「読んで字のごとく」と言って説明する習慣が付くと素敵です。
ちなみに光村の教科書で文節は
発音や意味のうえで不自然にならないように、文をできるだけ短く区切ったまとまりを文節という。
と定義されています。「ね」や「さ」で区切るともありますがこれは定義ではなく方法ですね。
言葉の単位全体として
文章>段落>文>文節>単語
を示したうえで、
文より小さく単語より大きな言葉の単位
とすればイメージがよりイメージがはっきりするかと思います。
「大きいネ/ゾウがネ/歩いたネ/。」
と実際に例文を示して「ネ」で区切って見せれば、大体の生徒はこれが文節かと一応は納得します。
※中1の文法指導の際は、主語+述語+主語に係る連体修飾語の例文を一つ決めて、その文をもとに色々付け足したり変形したりしながら年間で指導していくと復習もしやすく系統だった指導になります。今回は「大きいゾウが歩いた。」でいきます。
文節は「”ネ”で区切るもの」
定義としてこれが適切かというと疑問に思われる方が多いかもしれませんが、「文節とは何か」を覚えることは文法の学習としては本質的ではないので、きちんとした定義にこだわる必要はないと思います。「文節で答えなさい」と問われて、単語との区別ができて文節で答えられればよいのです。国語において、意味や定義を覚えることはそれ自体が目的ではないという発想をもちましょう。
実際の授業では「ネ」のヤツって言っていた時もあります 笑。(中2・3の復習で)
文節は「ネ」「サ」「ヨ」などで区切るとほとんどの教科書やテキストで説明されると思います。これは「ネ」「サ」「ヨ」が会話の際にひと呼吸置く単語だからです。ひと呼吸置けるということは意味のうえでのまとまりがあるということ(教科書の定義参照)なので、これらが文節を区切る目印になるのです。
もちろん「ネ」「サ」「ヨ」をすべて駆使して自然な形で文を分けてもよいですが、私は単純で覚えやすいことを優先して「ネ」一筋で教えています。
授業の中で確認する際も、はじめのうちは「文節って何で区切るんだっけ?」と「ネ」だけ言わせる問いかけで定着を図り、段々と「文節ってなんだっけ?」に問いかけ方をシフトしていくと、あまり頑張らなくても「文節は「ネ」で切るヤツ」は自然に身に付きます。
文節は「自立語1+付属語0以上 の単語のまとまり」
まずは自立語と付属語についての確認です。
文節よりも小さい、最小の言葉の単位が単語で、全ての単語を「それだけで意味が分かるかどうか」の視点で大きく分けたものが自立語/付属語になります。
自立語…それだけで意味が分かる単語
付属語…それだけでは意味が分からない単語
「大きいゾウが歩いた。」(自立語・付属語)
自立語の「自立」とは「単独でも文節になれる」ということですが、「意味が自立している」の方が分かりやすいです。
付属語の「付属」は「自立語に付属する」です。「それだけでは意味が分からない」とは、「文脈で意味が変わる」ということ。「が」は例文では主語を示す役割(主格)を果たしていますが、「今日は祝日だが学校に行こう。」の場合は「けど」と言い換えられる逆接の意味になりますね。「た」も例文では過去の意味でとりあえずは問題ない(「た」って本当は物凄く奥深いですがここでは単純に「過去」とします)ですが、「壁に掛けられた絵を見る。」では「存続」の意味になります。
自立語/付属語のあとは「活用」とはなんぞやを説明して、「自立語で活用する/しない」「付属語で活用する/しない」と分類する流れがあると思いますが、「単語を意味や働きでグループ分けすると全部で10種類になって(=品詞)、その中でそれだけで意味が分かるものをまとめて自立語と呼ぶ」と教えてもいいかもしれません(「自立語/付属語、活用→10品詞」ではなく「10品詞→「自立語/付属語、活用」の順)。
それでは自立語と付属語を意識して文節を見てみましょう。
「大きいネ/ゾウがネ/歩いたネ/。」(自立語・付属語)
一つの文節が、自立語一つを中心に、それに付く付属語で構成されるのが分かると思います。
文節(文の成分)が終わり単語の分類に進んでいったら、「実はこういうことだったんだよ」とこの定義を紹介する形が良いでしょう。これ以前の段階で文節を教える際には、「実は本当はもっとちゃんとした説明ができるんだけど、文節の勉強が終わったら教えるね」と含みをもたせると、ツァイガルニク効果といって「続きが気になる!」と思わせる効果もあります。
私は文法が好きで、文法は得意だと胸を張って授業ができていましたが、生徒にとってはとっつきにくく、指導を苦手としている先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。全体像やこの後は何を教えるかを意識しつつ授業が組み立てられると、分かりやすい授業ができるのではないかと思います。
少しはお力になれたでしょうか。
ちなみに、文法の参考書は数多くありますが、私はこちらの書籍を愛用しています。
解説が詳しく、練習問題もあるのでとてもおすすめです!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは!
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