こんにちは、みーです!
今回は、都立高入試の大問4で出題される200字作文について、傾向と書き方を紹介します。
なお、都立共通国語全体の傾向と対策はこちら、大問4の傾向と対策はこちらです。
東京都教育委員会のホームページから実際の問題も見られますので、よろしければ参考にしてください。
実際の「型」の紹介は最後なので結論だけ早く知りたい方は目次からスキップしていただいて構いませんが、前提を知っておいた方が意図や経緯が分かり理解が深まるのでお勧めです。指導者の方は通読が必須です。
それではいきましょう!
200字作文とは?
まずは「そもそも200字作文って何?」というところから説明していきます。
200字作文とは、都立高入試の共通問題国語に毎年出題される、都立国語を代表する問題です。大問4の問5で出題されます。設問としては
国語の授業でこの文章を読んだ後、「〇〇」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。なお、書き出しや改行の際の空欄、、や。や「などもそれぞれ字数に数えよ。
という形で出題されています。
配点は10点満点です。
求められていること
テストには必ず答えがあります。出題者は、受験生に「このような答えを書いてほしい」という意図をもって問題を作成します。
これからの世の中は「答えの用意されていない問題」を自ら見出して解決していく力が必要不可欠ですが、それは置いといて😓。。。受験問題には答えが用意されているのです!!
これは選択問題や書き抜き問題、数十字程度の記述問題だけでなく、作文でも同じです。すなわち「なんでも書けばいい」というわけではないということ。この認識を忘れてはいけません。
そして、出題者は「このような答えを書いてほしい」という意図を問題文や採点基準というメッセージで受験者に伝えようとしているのです。
だから、問題を解いたり解き方を指導する側の人間は、出題者のことを常に考えながら問題と向き合わなければならないのです。
それでは、200字作文ではどのような内容を書くことが求められているのでしょうか?先ほどの「200字作文とは」にある問題文や採点基準から考えていきましょう。
採点基準
ということで、最新版(令和4年度入試)の200字作文の「採点のポイント」がこちらです。タイトルがおかしいのはなぜだろう🙄。。。
詳細な基準は学校が定める
「採点のポイント」から分かることはたくさんありますが、最も重要なことは採点基準の詳細『部分点の基準』は各高校に委ねられているということです。
「受検生の実態に応じて」学校ごとに「詳細な基準を定める」ということは、極端な例ですが、ある学校では「どんなに誤字があっても○文字書けば最低でも□点」なのに、一方である学校では「誤字は1文字につき必ず1点減点」や「どんなに良い内容でも〇〇と書いていなければ□点減点」のようなことがあり得るということです。
というか、実際受検する生徒の学力に合わせて甘くしたり厳しくしたりしていると思います。
そうでないと、現実問題として「作文を書いても減点が多くみんな1点か2点」の学校や「みんな高得点で点数の差が出ない」学校が出てしまいます。
そのため、あまり褒められない言い方なのは承知のうえで書きますが、下位校では甘く採点されるため得点源になり、上位校では厳しく採点され200字作文で差がつくことになります。共通問題のトップ校の受験生からしたら国語の選択問題は「満点が当然、間違えて1問。」くらいのレベル感なので。(本当にそうなんです。ちゃんと対策すればそうなるくらい簡単です。)
自分の考え・筆者の主張・体験と見聞
さらに、その他の「採点のポイント」をまとめると、
- テーマに即した自分の考え(意見・主張)
- 筆者の主張を適切に捉えた内容
- 根拠として適切な体験・見聞(=エピソード)
これらを書くことを求められていることが分かります。
また、問題文の最後の一文「書き出しや改行の際~」から、原稿用紙の書き方に従うことも条件であると考えるべきです。
本質は本文の理解
200字作文で求められていることの本質は本文の理解であると考えるべきです。
これは200字作文が大問4全体の「次の文章を読んで後の問に答えよ」の「後の問い」に含まれていることと、200字作文の問題文に「この文章を読んだ後」とあること、「採点のポイント」で筆者の主張を的確に捉えてそれを踏まえるように書かれていることが根拠です。
そのように考えると、「私は本文の内容をしっかりと理解して、このような例にも当てはまることが説明できますよ」というアピールができるということが理想的な200字作文であるということになります。
「型」を身につけるべき
200字作文の本質は本文の理解であることを説明しました。
「作文」といいつつも200字は一般的な作文にしては文字数が少なく、時間も限られているため、都立特有の問題の「200字作文」として対策を進めていくべきです。
そして、その対策の手段こそ「型」を身につけることになります。
ここでは、なぜ「型」を」身につけるべきなのかを簡単に説明したのち、実際の「型」を紹介していきます。
10分で書き上げる
都立国語はスピードが命!
都立全体の傾向と対策の記事でこのように紹介しました。詳しくはこちら。
全部で50分の試験時間の中で、漢字の読み書き(大問1・2)と文章読解が3題(大問3~5)があり、これらに加えて200字作文を書き上げなければいけないので、時間の余裕はありません。
200字作文に割ける時間は10分程度とみておくべきでしょう。
10分で作文を書くのに、その時間内で構成をじっくりと練っていたら書き終わりませんよね。だからあらかじめ「こう書く!」と流れを決めておいて、それに即した内容を当てはめるように作文を書いていく必要があります。
そしてその流れを「型」としてもっておくことが、200字作文の必勝法なのです。
「守破離」
突然ですが「守破離」という言葉をご存じですか。
これは、剣道や茶道といったものの修行の段階を示した言葉で、簡単に言うと「守」は教えや与えられた型を守る段階、「破」は他の教えなども取り入れもとの心技を発展させる段階、「離」は一つの流派から離れ独自のものを確立させる段階のことです。
なぜこの言葉を紹介したのかというと、200字作文(というか受験勉強)もこれと同じだと思うからです。
何回も繰り返し「型」で作文を書いて慣れてきたら、採点基準から逸脱しない範囲で、「型」から離れてオリジナルの書き方で書いていって構わないのです。
ただし、最初は「型」を身につけること。これを忘れてはいけません。「型」を知って分かった気になり、練習もせずに自由に書いてもうまくはいきません。
「守」ってこそ、それを「破」って「離」れられるのです。
ただ現実問題として、受験生が取り組むのは国語だけでなく5教科全てであることや10分で書かなければいけないことから、多くの場合はしっかりと「型」を守って書くことを徹底するべきでしょう。
中学生は基礎的な学力を形成する時期なので、「守」で全然OKで。高校生になってから「破」「離」の段階に進むことを目指しましょう。
200字作文の「型」とは?
お待たせしました!お待たせしすぎたかもしれません!😎(笑)
200字作文の「型」を紹介します。
- 二段落構成で
- 第一段落→「私は筆者が『〇〇』と述べていることに賛成です。」
- 第二段落→「以前、~ことがあります。……。だから、私は□□と思います。」
以下で詳しく説明していきます。
二段落構成
200字という字数を考えると二段落構成が適切です。一段落だけでは読みにくく、三段落ではそれぞれの内容が薄くなってしまいます。
第一段落「私は筆者が『〇〇』と述べていることに賛成です。」
ここでは、まず初めに自分の立場を明確にすることが大切です。
「○○」には、テーマに関係する筆者の意見を引用します。最後の方に使えそうな言葉があることが多いです。必要に応じてある程度要約してもよいですが、できるだけ本文の言葉を使うようにしましょう。
「賛成」の部分は、「共感しました」や「反対です」などでも構いませんが、具体例を書かなければいけないことを考えると賛成の立場が書きやすいです。本文と似た例を考えればよいので。
第一段落をこのように書くことで、「自分の考え」としてまだ不十分(「賛成/反対」は他者の意見に対する自分の立場に過ぎない)にしても「筆者の主張」はクリアできます。
第二段落「以前、~ことがあります。」
第二段落の前半です。ここでは「具体的な体験・見聞」を書きます。
「以前」で始めるのは、これが体験・見聞であることを採点者に分かりやすく示すためです。
「~」の部分に、テーマや第一段落で引用した内容に関する自分の体験・見聞を書きます。
ちなみに見聞とは、見たり聞いたりしたことという意味です。体験だけでなく見聞と問題文にあることで、直接的な体験だけでなくテレビで見たり知り合いから聞いたりしたことも具体例として書けるのです。
そのため、「~したことがあります。」だけでなく、「~しているのを見たことがあります。」や「~と言っているのを聞いたことがあります。」と書くこともできます。
第一段落で「賛成」の立場なら、文章で書かれている内容と似た具体例を考えればよいので書きやすいのではないでしょうか。(「作文だから!」と意気込んで全てを自分で考える必要はありません。本文をヒントに書いていけばよいのです。)
その先は、体験・見聞についての感想(「賛成」の立場なら良い感想)を書き、まとめにつなげます。
第二段落「だから、私は□□と思います。」
最後のまとめは、「私は」を主語にして書きましょう。
第一段落の「賛成です」は立場の表明であって自分の考えとしては不十分なので、ここで自分自身の考えとしてまとめを書くことで確実に条件をクリアできます。
とはいえ完全にオリジナルな自分の考えを書く必要はなく、第一段落で引用した筆者の主張を、言葉を変えたり付け足しをしたりして自分の言葉として書けばOKです。
「賛成」の立場なのだから似たような意見になるのは当然だからです。
ただし、筆者の言葉をそのまま書かないように注意しましょう。
具体的には「~していきたいです。」や「~すべきだと思います。」、「~は大切だと思います。」のようにまとめていけば無難にまとまるでしょう。
最後に
ここまで「型」の重要性と、「型」に当てはめた作文の書き方を紹介してきました。
やはり10分で200字を書くということに関しては通常の作文と同じような対策では難しく、それに応じた戦略をもって臨むことが大切であると思います。
200字作文には通常の作文とは違うと割り切って、こだわりすぎずにまずは時間内に最後まで書くことを目指して対策していくとよいのではないでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは!
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