こんにちは、みーです!
今回は漢字の基本である「漢字の成り立ち」について紹介していきます。
意識することは少ないかもしれませんが、漢字の理解を深めるためには必須の内容です。
また、「漢字の成り立ち」の知識を応用するとどのようなことが分かるのかも最後に紹介していますので、最後まで読んでいただけると幸いです。
この記事を読むと、、、
・「漢字の成り立ち」について、詳しく理解できます!
・「漢字の成り立ち」の知識を分かりやすくまとめられます!
・「漢字の成り立ち」を応用方法が分かります!
なお、同じく漢字の基本として「漢字の音訓」の記事も公開しているので、よろしければこちらの記事もご覧ください。
それではいきましょう!
「漢字の成り立ち」とは
「漢字の成り立ち」とは「どのようにしてその漢字ができたのか」ということです。
難しい言葉で「造字法」ともいいます。
「漢字の成り立ち」は象形・指事・会意・形声の大きく4つに分けられます。
象形文字
簡単なものごとの形を絵のように線でかたどってできた文字のことを象形文字といいます。
造字の基本となったもので、「木」「山」「川」「馬」など自然のものを表す漢字が多いです。
絵に描けるものを絵画的に表した漢字が象形文字になります。
指事文字
抽象的な事象や概念的なものを図式化したり、物事の状態や性質を象形文字に点・線を加えて表したりしてできた文字を指事文字といいます。
例えば「上」や「下」は方向を表すのでその概念自体を絵に描くことができません。
そのようなものを記号のようにあらわした漢字が指事文字になります。
会意文字
すでに出来上がっている漢字を組み合わせて、より複雑な意味や事柄などを表した漢字を会意文字といいます。
例えば「林」や「森」は木が集まった場所を示すので、象形文字の「木」を複数組み合わせることでその意味を表しています。
形声文字
意味を表す「意符」(形)と音を表す「音符」(声)とを組み合わせてできた漢字を形声文字といいます。
ただし「会意形声」といい、音符も意味をもっている場合が多いです。
例えば「銅」という漢字は「金」が意符として金属であることを示し、「同」が音符としてこの漢字の「ドウ」という読み方を示しています。
また、漢字の80%以上がこの形声文字です。(←超大事!)
形声文字の場合、意符にあたる部分が部首になります。
4つの違い
象形・指事・会意・形声の違いを下の画像にまとめました。
「国語の先生なのに字が汚い」ことをコンプレックスに生きているのでとても恥ずかしいですが、画像を探すよりは手書きが早いと思いまして、、、😅
お目汚しの画像で失礼します。
「漢字の成り立ち」の見分け方
ここまでの象形・指事・会意・形声の4つの成り立ち自体は小学校でも学習するかと思いますが、もう少し詳しく、これらを整理していきます。
「象形・指事」と「会意・形声」
その漢字が「分解できるか」という視点で考えると象形・指事・会意・形声はさらに大きく「象形・指事」と「会意・形声」とに大別できます。
基本となる「象形・指事」
指事文字は象形文字を基準にすることはありますが、基本的に象形文字と指事文字はそれ以上分解することができません。
会意文字と形声文字の基本となるのが象形文字と指事文字です。
組み合わせの「会意・形声」
象形文字と指事文字を組み合わせて新たな意味を表すのが会意文字と指事文字です。
そのため会意文字と形声文字はより細かく分解することができます。
見分け方
「漢字の成り立ち」については、漢字が指定されてその成り立ちを答える問題が定番です。
正直この手の問題は本質的ではないように思いますが、学習の定着度をはかるために定期試験では出題せざるを得ませんね。
「分解できるか」「絵に描けるか」「音を表す部分があるか」の視点で象形・指事・会意・形声を見分けることができます。
分解できるか
ある漢字の成り立ちを考えるとき、まずはじめにその漢字が「分解できるか」を確かめます。
分解できなければ象形・指事のどちらか。
分解できれば会意・形声のどちらかです。
絵に描けるか
分解できない場合、その漢字が表す内容を絵に描けるかを考えます。
絵に描ければ象形文字。
絵に描けなければ指事文字です。
音と表す部分があるか
分解できる場合、分解した部分のいずれかがその漢字の音(読み方)を示しているかを考えます。
音を表す部分がなければ会意文字。
音を表す部分があれば形声文字です。
見分け方図解
以上の説明をまとめると以下の通りです。
板書まとめ
まとめの板書案です。
パワポで作成したため、傍線が引けずマーカーになっています。
実際に授業で扱う場合、「例」は生徒に出させた方がよいです。アレンジを加えて、必要に応じて参考にしてください。
「象形」と「象形文字」ってどう違う?
疑問に感じられるかもしれないので補足です。
これまで記事の中で「象形・指事」と書いたり、「象形文字・指事文字」と書いたりしてきました。
「象形」と「象形文字」を例にこれらの違いについて補足説明します。
「象形」は成り立ち
「象形」はその漢字の成り立ちを表す言葉です。
「”木”という漢字の成り立ちは?」と問われたら「象形」。
「象形文字」は漢字
「象形文字」は成り立ちが象形の漢字です。
「具体的に象形文字を一つ」と問われたら「木」。
応用:「漢字の成り立ち」が分かると、、、
応用編です。
漢字の80%以上は形声文字で、ほとんどの漢字が形声文字であるといってもよいでしょう。
これからの内容は形声文字に限った内容であることをご承知ください。
これまで説明してきた通り、形声文字は意味を表す意符と読み方を表す音符に分解できます。
そして、意符はその漢字の中心的な意味を示す部首であり、音符は音読みを表します。
つまり、形声文字の意符と音符の関係が分かっていると、部首か音読みの片方が分かればもう一方も分かるということです。
それぞれ具体例で説明します。
漢字の部首が分かる
部符を間違いやす漢字に「問」があります。
一見すると部首は「門(もんがまえ)」と思ってしまいますが、「問」の部首は「口(くち)」です。
先ほどの形声文字の考え方でこの漢字を確認してみると、「門」の部分は「モン」と読み「問」の音読みと一致するので音符であり、残った「口」が意符であり部首だと分かります。
「問」(音読み:「モン」)
「門」(音読み:「モン」)→ 音符
「口」(音読み:「コウ」「ク」)→ 意符=部首
音読みでない方が部首
漢字の読み方が分かる
逆に形声文字の部首が明らかに分かる場合は、そうでない方が音符なのでそれが音読みとなる場合が高いです。
必ずその通りになるとは限りませんが。。。💧
これが割と使えて、初めて見る熟語の読み方を予想することができます。
中学生が悩むレベルの熟語の例で「芳香」をれいに考えましょう。
「芳香」の「芳」は明らかに「くさかんむり」が部首(=意符)なので、部首でない「方」(=音符)の音読み「ホウ」が「芳」の読み方であると予想できます。
「芳」(音読み:「?」)
「くさかんむり」=部首 → 意符
「方」→ 音符(音読み:「ホウ」=「芳」の音読み)
部首でない方の音読みがその漢字の音読み
いかがでしたでしょうか?
最後に、私が参考にしている漢字の資料を紹介します。漢字の知識を深めたい方はぜひ!
今回はこれで以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは!
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