こんにちは、みーです!
今回は漢字の基本である「漢字の音訓」について紹介していきます。
あまり意識することはないかもしれませんが、漢字の理解を深めるためには必須の内容です。
この記事を読むと、、、
・「漢字の音訓」について、詳しく理解できます!
・「漢字の音訓」について分かりやすくまとめられます!
・紛らわしい漢字の音訓が判別できます!
なお、同じく漢字の基本として「漢字の成り立ち」の記事も公開しているので、よろしければこちらもご覧ください。
それではいきましょう!
漢字は中国から伝えられた
まず前提として、漢字というのは大昔に中国から伝えられたということを理解する必要があります。
文字が伝来するまでは口頭での伝承がほとんどだった日本に、5世紀頃、中国大陸から様々な文化とともに漢字が伝えられました。
しかし日本に伝来した漢字は発音も文法も日本語とは全く異なる外国語であったため、様々な工夫によって日本の文化に取り入れられ、さらに漢字をもとにしてより簡易な表記の方法として仮名(ひらがな・カタカナ)も発明されました。
漢字の音訓
漢字は大昔に中国から伝えられたと書きましたが、それらは様々な過程を経て現在使われる形で定着しています。
いま私たちが使っている漢字には複数の読み方があるものがほとんどで、大きく2つに分けて音読みと訓読みといっています。
音
その漢字の、中国語としての発音をもとにした読み方を音(音読み)といいます。
もとが中国語なのでそれだけ聞いても意味が分からない場合がほとんどで、辞書などではカタカナで表記されます。
例えば「鳥」の音読みは「チョウ」ですが、これを聞いただけでは「蝶」「超」「長」とどれのことを言っているのか分からないですよね。
ちなみに「チョウ」に限らずなぜ音読みは同じ読み方で様々な漢字があるかというと、日本語と中国語では言語の発音の方法が異なるからです。中国語は日本語に比べて発音が複雑で、「鳥」の「チョウ」と「蝶」の「チョウ」は異なる発音をしていたと考えられます。しかし当時の日本人にはどちらも「チョウ」のように聞こえたため、同じ音読みがあてがわれたということです。
訓
その漢字の、日本語での意味をもとにした読み方を訓(訓読み)といいます。
読み方を聞いただけでも意味が分かり、辞書などではひらがなで表記されます。また、送り仮名が必要なのは訓読みです。
先ほどの例で考えると、「鳥」の訓読みは「トリ」で🐤(←鳥です!)、この子のことだとすぐに分かりますね。
中国人が🐤を指して「チョウ」と言っている。そして中国語では「鳥」と書くらしい。つまり、「鳥」という漢字は🐤を意味していて「チョウ」と読むのか。このように考えたわけです。
英語では「bird=🐤」で「発音は”バード”」「意味は”とり”」と意味とを発音を分けて考え、日本語の文章で「bird」を取り入れることはありませんが、
漢字(中国語)の場合は日本語の文章にそのまま取り入れるため、意味をそのまま読み方として採用しました。英語なら「Iはbirdをlookした。」と表記して「わたしはとりをみた。」と読んでいるイメージです。
そもそも「取り入れる」と書きましたが、元々は漢字しか日本にはなくて漢字を簡易化させて仮名ができたわけで、この話は漢字の日本への伝わり方ではなく現代の漢字の運用方法の話として考えてください。。。
読み方が一つの漢字
「複数の読み方があるのもがほとんど」と書きましたが、読み方が一つのみ(常用外は除く)の漢字も当然あります。
そして、基本的に読み方が一つの漢字は音読みです。
なぜなら、漢字は元々中国で使われていたため、必ず中国語をもとにした音読みはあるはずだからです。
例えば「肉」は「ニク」としか読まず、意味が分かるため一見すると訓読みのように思われますが、音読みです。音読みの例で示した「蝶(チョウ)」も同様に音読みです。
外来語やかっこいいカタカナ言葉がそのまま日本語で使われているのと同じです。今でいうと「根拠」を「エビデンス」というよな感覚でしょうか。ちょっと違うかも😅
慣用音と熟字訓
音と訓の例外的なものとして、慣用音と熟字訓をそれぞれ紹介します。
慣用音
音読みの例外的なものです。
その漢字本来の音ではないが、熟語にしたときの読みやすさや日本での誤読などによって定着した音を慣用音といいます。
慣用的な音読みということです。
「早速(さっそく)」「留守(るす)」「納得(なっとく)」などがあります。
熟字訓
こちらは訓読みの例外です。
熟語にしたときに、漢字一つずつではなく熟語をひとまとまりとして読む訓を熟字訓といいます。
例えば「小豆(あずき)」は「小(あ)/豆(ずき)」や「小(あず)/豆(き)」ではなく「小」と「豆」が一つの熟語になって「あずき」と読みます。
このように漢字2文字に日本語の意味をあてたものが熟字訓で、他にも「大人(おとな)」や「明日(あす)」など普段使う言葉でもたくさんあります。
板書まとめ
まとめの板書案です。
音と訓それぞれで具体例を示した方がよいです。
私が授業をする際には音訓の説明をした後に、これまでの内容を踏まえて「肉(にく)」や「王(おう)」などが音読みか訓読みかをクイズにしてからまとめることで理解を深めさせます。
アレンジを加えて、必要に応じて参考にしてください。
Q&A(補足)
補足説明をいくつかQ&A方式で紹介していきます。
Q:音読みが複数あるのはなぜ?
A:日本に伝わった時期や、使われていた地域が異なるから。
音読みがその漢字の中国語での発音をもとにしているなら、読み方は一つしかないように考えられますよね。
しかし、「行」という漢字には「ギョウ(行列)」「コウ(行動)」「アン(行脚)」と3つも音読みがあります。
このように一つの漢字に複数の音読みはあるのは、その漢字(その読み方)が日本に伝わった時代や使われていた中国の地域が異なるからです。
日本語でも、古文の言葉遣いは現代と異なり、方言といって地域によっても言葉が微妙に異なりますよね。時代や地域によって言葉は変わるのです。中国なんて日本の何倍もの大きさと歴史があるのだから、いくつかの読み方があって当然なのです。
ちなみに、日本に伝わった時代と中国で使われていた地域によって、音読みは大きく呉音・漢音・唐音に分けられます。
先ほどの「行」の例でいうと、「ギョウ」=呉音、「コウ」=漢音、「アン」=唐音です。
現在日本で使われている漢字の音の7割が漢音だといわれています。まぁ、漢字ですもんね。
Q:訓読みが複数あるのはなぜ?
A:一つの漢字が複数の日本語の意味をもつから。
例えば「生」という字は、音読みは「セイ・ショウ」で、訓読みも「い(きる)、う(まれる)、は(える)、なま」などたくさんあります(「生粋」「生い立ち」など他にもありますが)。
これは「生」という漢字(=中国語)の意味が広く、多くの日本語の意味を重なるためです。
英語に置き換えて、「have」が「持つ」「食事をとる」「飼っている」「(兄弟などが)いる」など複数の意味をもつのと同様に考えると納得できるかと思います。
いかがだったでしょうか。
教科書にある内容に加えて、より詳しい関連知識も紹介したつもりです。国語の知識を深めたり、授業を充実させるお手伝いになれば幸いです。
漢字の知識を深めるのに、私はこちらの書籍も参考にしており、おすすめです!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは!
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