【授業】書かない! 初心者向け書写指導の乗り切り方

授業

こんにちは、みーです!

「書写の授業をするけど、人に教えられるほど字が上手じゃないんだよな、、、😥」

学校の先生でこう思われる方、実は多いのではないでしょうか。

今回はそのような方に向けて、書写の授業の乗り切り方を紹介します。

ベテランの先生には怒られてしまいそうな内容かもしれませんが、経験の浅い先生が生き延びるための役には立つと思いますので、書写の授業でお困りの方や興味のある方はご覧ください。

書写の授業って大変!

はじめに、中学校で働いていた経験から一言。

書写の授業って本当に大変なんです!

筆に自信があればまだしも、人並み以下の文字しか書けず、しかも書道教室などに通っている生徒がいるような状況では、とても「水黒板にお手本を書いて、、、」のような王道の授業は行う気になれないのが実情ではないでしょうか。(もちろん、それができるように研鑽しなければならないのは百も承知です)

教員免許を取得するために書写の教授法も学びますが、それで生徒の見本になるような美しい文字を書けるようになるわけではありませんよね。

それに加えて、書写の授業はほぼ実技教科であるという大変さもあります。

書写の時期になるたびに、実技教科の先生方のすごさを実感していました。

しかも実技教科は音楽室や美術室のように特別教室がありますが、書写の場合は大荷物を持って教員が移動しますからね。

準備・片付け、忘れ物や墨をこぼしてしまったときの対応などもあり、生活指導的な側面も大切になってきます。

ということで、

当時の私と同じように書写の授業に不安のある先生方が、少しでも前向きに臨められればと思います。

備品などの状況はまちまちだと思うので、使えそうなものがあれば参考にしていってください。

活用アイテム

まずは、使えそうなアイテム(=モノ)から紹介してきます。

  • デジタル教科書
  • 拡大印刷
  • 骨字・かご字
  • 朱墨筆ペン

デジタル教科書

デジタル教科書には、教科書の本文に加えていろいろと資料が内蔵されています。

採用している教科書によるとは思いますが、使えるものはフル活用しましょう。

私が使っていたものには、実際に見本を書く人の手元を撮った動画があり、それを解説しながら数回流せば、筆遣いの解説は事足りる状況でした。

ただ、それを発見した年は二人で国語を教えていて相方の先生に書写をお願いしていたので、紹介はしましたが実は私自身では使っていません😅

まぁ、使ってくれましたし、そういうこともありますよね。

これ以降は、私が実際授業をする際活用していたアイテムです。

拡大印刷

その日に学習する文字を拡大印刷にかけます。

教科書のコピーや、指導書についている見本を担当するクラス分拡大するだけです。

これを黒板に貼って書く際の注意点を説明すれば、水黒板にお手本を書いたり、チョークで頑張って見本を書いたりしなくて大丈夫!

赤のマジックなどで書き込みながら説明していきます。

説明する内容は指導書の朱書きを参考にしていけば、そこまで悩まずに自身の勉強にもなり一石二鳥です。

参考までに、ある年の書初めの授業の際の板書メモが残っていたので添付します。私自身のメモ用なので、見にくいのはご容赦ください。

骨字・かご字

骨字とは文字の中心部分を示したもので、かご字とは文字の輪郭をかたどったものです。

うまく説明できないので、こちらも画像で見ていただいた方が早いと思います。

「一」の骨字とかご字です。

上が骨字、下がかご字です。

教科書に載っている文字であれば、指導書やデジタル教科書にこれらがあると思いますし、かご字の方はトレーシングペーパーで輪郭をなぞれば自分で作ることもできます。(画像のかご字は、穂先の動きと筆を止める箇所も示しています)

半紙の大きさに合わせて骨字・かご字を作り、B4のわら半紙に印刷して直接書かせることで、文字の大きさやバランスをつかませます。

わら半紙に印刷するのは、通常の印刷用紙よりも墨が染みるからです。

ワークシートの感覚ですね。

朱墨筆ペン

こちらは机間支援や評価用です。

半紙だとボールペンでは書きにくいですし、採点でよく使う赤のサインペンは下敷きがあると書きにくく机の上だと裏写りしてしまうので、「筆ペンならなんとかいける!」という方はこちらがおすすめです。

うまく書けたところに○を付けたり、ABCなどの評価を入れるだけでも大丈夫です。

文字を書かない分「やってる感」を出すためにも、使った方がよいアイテムだと思います。

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指導すること

次に指導することについてです。

「書かない授業」とは言っていますが、もちろん何も指導しないということではありません。むしろ、見本を書かずとも、書写の授業で指導することはたくさんあります。

そもそも「書写」は「書道」ではないので、技術の指導というのはそこまで重要ではないと考えています。それよりも、文字文化の神髄に触れるような時間が書写の時間であるべきだと個人的には思っていますが、今回はそこには深入りはしないでおきましょう。

書写の目的などは、余裕のある時に指導要領を確認しましょう。

それでは、書写の授業で技術以外にどのようなことを指導するのか、簡単に紹介していきます。

姿勢

「文字乱れは心の乱れ」などと言いますが、姿勢が乱れていると本当に字も整いません。

落ち着いて授業に参加させる意味でも、書く際の姿勢については、初めのうちからしっかりと指導しましょう。

具体的には以下の内容です。

  • 背筋を伸ばす
  • 椅子には浅くかける(背もたれに寄りかからない)
  • 足の裏を床につける→両足で踏ん張って書く

筆の持ち方

  • 3本の指でつまむようにもつ
  • 筆は半紙に対して垂直→筆の上げ下げで太さを調整する
  • 手首は固定→ひじから動かして書く

楷書と行書

こちらはオリエンテーションの際に「草書」とともに教えてもよいかもしれません。

筆遣いのポイントを説明する際に、これらを踏まえられるとよいでしょう。

筆の運び、字形など

こちらは拡大印刷の際書いたように、指導書などを参考にしながら、その日に学習する文字の注意点を説明します。

授業の流れ

あくまで一つの例としてですが、上記の内容をもとに私が行っていた授業の流れを紹介します。

オリエンテーションの際は、授業の進め方や約束事の説明→硬筆の課題などでよいでしょう。

それ以降、以下の流れで授業を進めていました

1、本日学習する漢字の紹介

 めあて・目標の提示。拡大コピーを黒板に貼る。

2、注意点(筆の運び・字形など)を解説

 指導書の解説などを拡大コピーに書き込んでいく。

3、練習用紙(骨字・かご字)、見本を配る

4、各自で練習

 朱墨筆ペンを携えて机間支援。

5、清書提出

 時間を決めて清書を1枚提出→提出した人から片付け

決めておくべきこと

その他にも、書写の授業を行う際には決めておくべきことがあるので最後に紹介します。

学校の方針として決まっているものもあるので、学年の先生や他の国語科の先生に訊くべきところは確認しながら準備をす進めましょう。

道具を忘れた生徒への対応

これは生徒に実態によるところが大きいですね。

選択肢としては

  • 貸し出し用を教員が用意しておく
  • 他のクラスから借りるなどして何とか準備させる
  • 硬筆の課題を用意しておく

などでしょうか。

比較的落ち着いていて、忘れが少なく貸し借りがあってもトラブルが起きないようなら上の2つでよいですが、硬筆の課題(最悪、国語の教科書の視写)を用意するのが無難かなとは思います。

準備のタイミング

こちらは選択肢としては

  • チャイム前に準備しておく(墨は指示するまで出さない)
  • 授業開始の挨拶をしてから一斉に準備する

の二択でしょう。

個人的には、他の実技教科では教室移動があるためその分の準備時間と考え、前者でよいと考えています。

もちろん、前の授業などの状況を踏まえて柔軟に対応するべきですが、体育でチャイム後に着替えるのはあり得ないわけで、それと同じ理屈で通ると思います。

ただ、教員が完全に管理していない状況での準備は物がなくなったり破損してしまうような実態がある場合には、トラブル防止が第一で後者がよいです。

余った墨汁の扱い等、片付けのルール

余った墨汁について、本当は水道に流してしまうのが一番ラクなのですが、汚れてしまうといった理由で流すのはNGな場合が多いと思います。他の先生に確認を取りましょう。

そこでよくあるのは、提出しない失敗した半紙で硯や筆の墨汁を吸い取るという対応だと思います。その際のごみを回収するごみ袋などは用意しておきましょう。

片付けは、私は提出した人から授業時間内で片づけるようにしていました。

そのようにしてもギリギリまで提出用を書いて片付けまでは時間内に終わらない人はいるものなので。

次の授業への配慮で時間内で片づけさせるのが無難かと思います。

最後に

あとは、地味に大切なのが書写の授業があることを早めに告知しておくことで、習字セットで足りないものを家庭で用意する期間を確保することにも配慮すると余計なクレームは避けられます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

いかがでしたでしょうか。

少しでも参考になる内容があれば幸いです。

自分を助ける様々な方法を学びつつ、指導力の向上にも励んでいきましょう!

それでは!

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